日本看護学教育学会誌
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27 巻, 3 号
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研究報告
  • 林 久美子, 髙橋 由起子
    原稿種別: 研究報告
    2018 年 27 巻 3 号 p. 1-12
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

    〔目的〕大学病院に勤務する臨地実習指導者の役割葛藤・役割曖昧さを明らかにし、役割葛藤・役割曖昧さと実習指導者の属性・実習指導体制との関連を明らかにする。

    〔方法〕調査は郵送法による無記名自己記入式質問紙調査で実施した。役割葛藤・役割曖昧さは日本語版NIOSH職業性ストレス調査票で測定した。

    〔結果と考察〕臨地実習指導者は、年齢が高く、臨床・指導経験年数が長い者は有意に役割曖昧さ得点が低かった。臨地実習指導者は臨床経験や指導経験を積む中で、通常の看護業務のみならず実習指導の情報を得ることができていると考える。また、職位が主任の指導者は、スタッフナースの者に比べて有意に役割葛藤得点が高く、臨地実習指導者と主任の役割を多重に担っていることが要因として推測された。臨地実習指導者や看護教員と十分に連携ができていると回答した者は、役割葛藤・役割曖昧さ得点が有意に低かった。十分に連携をとれている者は、実習指導上の情報交換や、通常の看護業務や実習指導の役割分担が可能であると考える。

  • 百々 典子
    原稿種別: 研究報告
    2018 年 27 巻 3 号 p. 13-27
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

    〔目的〕臨地実習の自己効力感をテーマとし、看護学生のみを対象とした論文を研究目的で分類し、得られた知見を整理し今後の研究課題を見出す。

    〔方法〕論文データベース・サービスで文献検索を行い、研究目的と用語の操作的定義に沿い日本国内の量的研究を収集した。それらを精読し研究目的で分類し、知見と課題をまとめた。

    〔結果〕対象論文31件を目的で分類した結果、1. 自己効力感の尺度開発をした研究、2. 自己効力感の変化を検証した研究、3. 自己効力感と4つの情報源の関連性を検証した研究、4. 介入を行い自己効力感の変化を検証した研究、5. 自己効力感と効果の関連性を検証した研究、6. その他の6つに分類された。

    〔考察〕今後の研究課題は、ある実習領域に特化された技術に関するSSEの尺度開発と、GSEとSSEの因果性の整理と解明の必要性が考えられた。

  • 三上 智子, 松浦 和代
    原稿種別: 研究報告
    2018 年 27 巻 3 号 p. 29-37
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2022/04/01
    ジャーナル フリー

    〔目的〕日本国内の看護系大学における小児看護学領域の客観的臨床能力試験(以下OSCE)の実施状況の詳細は報告されていない。本研究は、小児看護OSCEの取組みの実態を把握するとともに、小児看護OSCEの普及に向けた研修会ニーズの抽出を目的とした。

    〔方法〕平成27年11月から12月に、日本看護系大学協議会会員校247校の小児看護学教員(1人/校)を対象とし、無記名自記式調査を実施した。

    〔結果〕回収数(率)は93(37.7%)であった。小児看護OSCEの実施大学(実施率)は9校(9.7%)であった。公開可能な小児看護OSCE課題は9課題に集約された。模擬患者の活用大学は3校で、そのうち2校は養成をしていた。研修会への参加希望は23.5%で、6つの研修会ニーズが抽出された。

    〔考察〕平成27年度の小児看護OSCE実施大学は少数であったが、今後導入を検討している大学もあり、関心をもっていることがうかがわれた。小児看護OSCE実施大学は、基本的なスタイルを踏襲していた。小児看護OSCEの9課題は3領域に大別可能であった。模擬患者の活用について、小児期にある模擬患者の養成は難しく、それを活用したOSCEを実施することはできないが、保護者役を演じる模擬患者を通して、子どもとその家族への看護を学ぶことはできると考える。小児看護OSCEの普及を目指す研修会では、ニーズを反映させたプログラム構築が重要である。

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