1993 年 3 巻 1 号 p. 9-21
看護教育は資格試験と関連しており、目標到達度の評価は、カリキュラム遂行上、最も重要な課題の一つである。しかし、現実には、臨床実習における到達度の評価は、かなり曖昧な方法で行われているように思われる。これは、看護学には、性質上様々な学問分野が包括されていること、到達度に対する評価基準の設定が難しいこと、教師の到達目標に対する認識に相違があること、などの理由による。
本研究の目的は、現在行われている到達度の評価方法について、問題点を見出し、その原因を明らかにして、看護基礎教育課程の臨床実習で使用可能な到達度評価フォーマットを開発することである。
最初に、到達度評価に使用される用語の概念を明確化し、同時に、これらの用語が、看護教育の現場でどのように解釈されているのかを把捏した。次に、用語本来の概念と現場での解釈内容とを比較することにより、問題点とその原因を検討した。そして、
1)到達レベルに応じた目様の評価方法
2)観点別に設定した評価方法
3)形成的評価と包括的評価の明確化
4)行動評価の方法
5)多元的な評価基準の採用
について、試案を提唱する。