日本看護学教育学会誌
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研究報告
ボディメカニクスの基礎となる力学的原理に焦点化し系統立てた体験演習型授業の教育効果
小河 一敏坂井 謙次日髙 真美子
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2020 年 30 巻 1 号 p. 15-31

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抄録

〔目的〕地球重力を前提に「①立つ ②持つ ③動く ④基本を組み合わせる」段階性で、系統立てて体験を通して原理を学ぶことができるように授業を展開した。力学が苦手な学生に有効なボディメカニクスの教育方法を明らかにするため、この授業で学生に生じる以下の4つの教育効果を測定する。1.動きのポイントを理解できる。2.ポイントに基づいて動こうとできる。3.動きが上達する。4.力学への印象が好印象へ変化する。

〔方法〕理解は授業の前・直後・後にテストした。動きは授業前後にチェックし、その際の意識もアンケートした。印象は授業前後で「苦手⇔得意」、「看護に役立つ⇔役立たない」でアンケートした。

〔結果〕理解・動き共に向上し両者に相関があった。意識と動きに相関があった。印象も好転し、「看護に役立つ」印象が意識に相関し、印象の好転が理解に相関していた。理解・動き共に「足に力を入れる」の到達率が低く、他ポイントとの相関が多数あった。

〔考察〕「系統立てた原理を体験を通して学ぶ」方法は有効と考えられる。

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© 2020 一般社団法人 日本看護学教育学会
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