日本腹部救急医学会雑誌
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特集:「急性胆管炎・胆嚢炎 急性膵炎の診療ガイドライン」制定後の診療をめぐって
急性胆炎治療における内視鏡的経乳頭的胆ドレナージの有用性とその成否因子の検討
小川 修吉汲 宏毅丸岡 直隆橋本 裕輔竹越 淳井上 和明与芝 真彰
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2009 年 29 巻 3 号 p. 481-486

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抄録
【目的】急性胆炎に対する経乳頭的胆ドレナージ(endoscopic transpapillary gallbladder drainage:ETGBD)は現時点では一般的治療ではない。しかし,その可能性を考察するため,ETGBDの有用性と成否因子を検討した。【方法】2003年から2004年までに当科で治療した急性胆炎46例を治療法別(保存的治療,PTGBD,ETGBD)にその効果を比較検討した。さらにETGBD成否因子に関して,患者背景と検査所見と胆超音波所見を検討した。【結果】ETGBDは他の治療法と同様に有用であった。また成功例では炎症が低い傾向にあり,胆超音波所見において有意差をもって短径が短く壁の厚さが薄かった。【結論】ETGBDは成功さえすれば有用であった。特に低炎症例で高い成功率と治療効果が期待され,また超音波所見が成否の予測に役立つと考えられた。
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© 2009 日本腹部救急医学会
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