2021 年 31 巻 2 号 p. 1-16
〔目的〕看護基礎教育課程に所属する最終学年を対象に、看護学生が捉えている臨地実習での失敗の特徴ならびにその失敗への看護教員のかかわりに対する看護学生の認識とリスク感性との関係を明らかにすることを目的とした。
〔方法〕看護師等養成施設に所属する最終学年の看護学生1,348名を対象に、平成30年9月~12月に自記式質問紙調査を行った。
〔結果〕調査票回収数812名(回収率60.2%)有効回答数750名(有効回答率92.4%)、臨地実習で失敗体験があったと回答した者は300名(36.7%)であった。臨地実習での失敗は、看護学生の不注意や自己判断から引き起こされた失敗が多かった。看護教員のかかわりの中で精神面のケア、振り返りの支援、原因分析の支援について「そうである」と回答した方がリスク感性得点並びに下位尺度得点が有意に高かった。
〔考察〕失敗した看護学生のリスク感性の育成には、看護教員の精神的なかかわりと失敗を学びに活かすために多角的な視点に基づいた振り返りの支援が必要であることが明らかとなった。