2022 年 31 巻 3 号 p. 47-60
〔目的〕大学教員メンター制の導入に対する教員と新卒看護師の考えを明らかにし、モデル構築の基礎的資料とする。
〔方法〕本研究は、福岡県立大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した。看護系11大学の教員11名、卒業生の新卒看護師10名に半構造的にインタビューし、質的帰納的に分析した。
〔結果〕他大学卒の新卒看護師への支援に対する教員の考えは【メンターとしての資質と心構えが必要】など5カテゴリ、他大学の教員からの支援に対する新卒看護師の考えは【メンター制や大学教員への期待】など3カテゴリが得られた。教員は【運用するためのシステムと周知】など4カテゴリ、新卒看護師は【安心できる大学教員の対応】など5カテゴリが課題であった。
〔考察〕教員、新卒看護師とも制度の可能性や必要性に前向きだが、懸念や課題もあった。導入にはシステム構築や相談環境の整備、メンターとなる教員の組織的支援の必要性が示唆された。