日本看護学教育学会誌
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研究報告
テキストマイニング分析による看護師と看護系大学生の捉えた患者に必要なケア
−Fundamental of Careの概念枠組みを用いた比較−
片田 千尋荻野 待子鈴木 千枝増田 富美子髙谷 知史
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2022 年 32 巻 2-1 号 p. 55-66

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抄録

〔目的〕看護師と看護系大学生の捉えた患者に必要なケアの相違を明らかにし、看護師の基本的な看護ケアの捉え方の特徴について検討する。

〔方法〕3事例への必要なケアについて質問紙調査を行い、看護師205名と看護系大学生138名の自由記述をテキストマイニングの共起ネットワーク解析でカテゴリ化し、基本的な看護ケアの概念枠組みであるFundamental of Careの14要素で命名し、両者のカテゴリとその構成語を比較した。

〔結果〕患者に必要なケアとして、看護師のみで【休息・睡眠】、【セクシュアリティ】、及び構成語に診断や介入の具体的内容がみられた。また、学生のみで【清潔と身だしなみ】、及び【安楽】の構成語に《ボーイフレンド》がみられた。

〔考察〕看護師は、臨床実践に則した具体的なケアを見出した一方で、学生が捉えた保清ケアや共感的理解に基づく柔軟なケアを捉えなかったことを踏まえ、看護ケアを再点検する必要がある。

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© 2022 一般社団法人 日本看護学教育学会
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