日本看護学教育学会誌
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原著
看護師のノンテクニカルスキルの特徴と就業状態への影響
−看護師の定着支援に向けて−
島村 美香幸 史子小山 記代子
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2023 年 32 巻 3-2 号 p. 65-75

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抄録

〔目的〕看護師のノンテクニカルスキルの実態を明らかにした上で、就業状態に及ぼす影響を検討する。

〔方法〕全国の看護師を対象に、ノンテクニカルスキルおよび就業状態に関するインターネット調査を実施した。

〔結果〕看護師のスキルタイプは、「全低型」が実務経験9年以下では多いが、それ以降は減少し、20年以上で「万能型」が多くなるという推移が確認された。次に、スキルタイプと就業状態の関係に関して、仕事充実感は下位のスキルタイプほど悪かった。この傾向に加え、仕事適量感は過労を特徴とするタイプが低くなる傾向を示した。最後に、実務経験はノンテクニカルスキルを媒介して就業状態に影響することが確証された。

〔考察〕実務経験9年以下の看護師は「全低型」が多い。そのため、着任後10年間はスキルタイプに合わせたスキル研修を行い、就業状態の向上を図る必要がある。

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