日本看護学教育学会誌
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原著
看護大学生のリスク感性の関連要因
副島 理沙村田 尚恵分島 るり子
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2023 年 32 巻 3-2 号 p. 77-88

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抄録

〔目的〕看護大学生のリスク感性の関連要因を明らかにし医療安全教育への示唆を得る。

〔方法〕領域実習をすべて終えている看護大学生756名に配布し、有効回答393名(51.9%)を分析対象とした。無記名自記式質問紙調査を実施し、調査項目は、看護学生のリスク感性、他者意識、リスク受容度、年齢、性別、受け持ち患者数とした。関連性は、重回帰分析(ステップワイズ法)で検討した。

〔結果〕看護大学生のリスク感性には、他者意識尺度の内的他者意識β=.259(p<.001)、リスク受容尺度の慎重β=.375(p<.001)とチャレンジングβ=.230(p<.001)が関連し、分散の40%を説明していた。

〔考察〕看護大学生のリスク感性を高めるためには、学生がルールを守って慎重に行動できる支援が求められる。また、シミュレーション教育という安全を保証した環境下でのトレーニングは、学生の自信を育み、積極的な行動に繋がる可能性がある。さらに、患者の内面に意識が向くようなシナリオ設計も有用と考えられる。

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