2023 年 33 巻 2-1 号 p. 15-27
〔目的〕看護学教育の対策立案に向け、COVID-19拡大状況下で教育を受ける看護学生の実態と伝えたいことを明らかにする。
〔方法〕2021年3月に看護系教育機関に在籍する看護学生9,135名を対象に無記名オンライン質問紙調査を実施し、記述統計量算出、対応分析、質的帰納的分析を行った。
〔結果〕対象者の大半が、日常生活、学修、就職活動等、全般にわたる不安を示した。看護職への志向性が強くなった理由に【看護職の必要性や価値への注目】等が示された一方、看護職への志向性が弱くなった理由に【看護職を取り巻く過酷な労働環境】等が示された。
〔考察〕感染拡大による学修環境の変化は看護学生の看護職への志向性に影響し、学修や技量への不安が看護学生の負荷となると予測された。メンタルヘルスサポートとコミュニティ構築に繋がる支援、現職の看護職への待遇改善が、看護学生の看護職への志向性を維持する上で重要である。