〔目的〕対面演習とオンライン演習での日常生活援助技術に関する学生の学びを、演習後のリフレクションから明らかにする。
〔方法〕2019年度と2020年度に、A大学看護学部において、日常生活援助技術を演習した学生のリフレクションを対象とし、テキストマイニング分析を行った。
〔結果〕もっとも出現回数の多い語は、対面演習・オンライン演習ともに『患者』であった。対面演習では10個の学び、オンライン演習では8個の学びが抽出された。
〔考察〕対面演習の初期には、自身の技術行動において気になった現象から精神運動領域を中心に学習していたことから、看護技術の根拠を早期に意識付け学習できるように教員が関る必要性が示唆された。オンライン演習では、教科書を中心に認知領域の学習をしていたことから、看護実践の際は自身の技術行動に集中しすぎず、知識を技術に結び付けられるように教員が関わる必要性が示唆された。
〔目的〕看護学教育の対策立案に向け、COVID-19拡大状況下で教育を受ける看護学生の実態と伝えたいことを明らかにする。
〔方法〕2021年3月に看護系教育機関に在籍する看護学生9,135名を対象に無記名オンライン質問紙調査を実施し、記述統計量算出、対応分析、質的帰納的分析を行った。
〔結果〕対象者の大半が、日常生活、学修、就職活動等、全般にわたる不安を示した。看護職への志向性が強くなった理由に【看護職の必要性や価値への注目】等が示された一方、看護職への志向性が弱くなった理由に【看護職を取り巻く過酷な労働環境】等が示された。
〔考察〕感染拡大による学修環境の変化は看護学生の看護職への志向性に影響し、学修や技量への不安が看護学生の負荷となると予測された。メンタルヘルスサポートとコミュニティ構築に繋がる支援、現職の看護職への待遇改善が、看護学生の看護職への志向性を維持する上で重要である。