2023 年 33 巻 2-2 号 p. 29-41
〔目的〕コンピテントナースの看護実践におけるアンラーニングの過程を明らかにする。
〔方法〕看護系大学を卒業した卒後3年目の看護師18名を対象に半構成的面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析を行った。
〔結果〕コンピテントナースの看護実践におけるアンラーニングの過程は、《新人ではない立場を認識し始める》状況の中で、うまくいかない経験から《自分の実践の有り様を省察する》ことで《患者との関わり方を模索する》。そして、《現状を打開するために新しいやり方に挑戦する》ことで患者から期待する反応が返ってくると、《自身の視点取得に確かな感覚を抱く》。自分の実践が変化しつつあることを認識し、《自分の経験を次に生かす》行動をとることが明らかとなった。
〔考察〕コンピテントナースは、他者との関わりを通して看護実践をアンラーニングしていた。コンピテントナースへの支援には、看護実践を省察する機会を設けること、他者の看護実践を見聞きできる環境をつくることが必要であると示唆された。