看護教貝の能力・資質形成の契機とそれらの契機に教員に生じた変化を明らかにする目的で全国の看護教員975名を対象に質問紙調査を行った。310(回収率31.9%) の有効回答が得られ、次のようなことが明らかになった。
1) 看護教員が能力・資質形成の契機と認識しているのは、「学校外での研究活動」、「教育実践上の経験」、「学校内のすぐれた人物」などが多く、「社会問題や政治情勢」などを契機と考えている教員は少数であった。
2) 能力・資質を形成した契機とそれらの契機に生じた変化では、「大学院での研究」や「看護教員養成研修」を契機に、「教授・研究方法」や「自己客観視」、「教育の基盤」を修得したという回答が多かった。また、「学生との相互作用」を契機として、「学生の反応から自己形成の努力」や「大学・大学院進学」をしたなどがあった。さらに、「上司の仕事の姿勢や対人関係」を契機として、「人間性や学生との対応法を修得」などが回答された。