北ヨーロッパ研究
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特集 格差是正の比較政治学:北欧諸国の対応
「平等のオスロ」、「貧困のオスロ」、それとも「多様性のオスロ」?
ノルウェーの新しい福祉政治と政党デモクラシー
小川 有美
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 5 巻 p. 29-37

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抄録

グローバル化に直面する北欧諸国の中で、EUに加盟せず、石油という資産を有するノルウェーでは、危機が顕在化しにくかったといわれる。しかし階級社会から 「平等」 へという戦後の目標の到達の後、若年層、難民、ロシア系女性などの「周縁的市民」の排除が注目されるようになった。そして2000年代になると、「反貧困」が政府・ 政党の重要政策に掲げられた。その政治的背景には、政党デモクラシーの不確実性が高まる中で、主な政党リーダー達が競ってこの問題を取り上げ、アジェンダ(政治議題) 化したことにある。その結果、ノルウェーでは遅れていた福祉政治の現代化とともに、ポスト「第三の道」とも言える左一右対立の刷新が進んでいる。

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