北ヨーロッパ研究
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論文
スウェーデンにおける社会福祉分野のNPOへの国庫補助金
政府の志向はNPOの「存在」か「成果」か?
吉岡 洋子
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 7 巻 p. 13-21

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抄録

国民運動の伝統を背景に、スウェーデン政府は長年NPOに対して寛容に補助金を提供してきた。しかし1990年代以降、世界的な流れと同様にスウェーデンでも、NPOは政府資金に対する成果を強く要求されるようになった。本稿は、NPOへの国庫補助金の現状を整理分析することを通じて、社会福祉分野のNPOに対する政府の志向を、NPOの「存在」と「成果」の観点から分析した。また、NPOへの国庫補助金の意義についても考察した。 結果、政府の統制強化に関しては変化もみられるものの、今日もNPOの「存在」自体に価値をおく観点が、国庫補助金の基盤となっていることが明らかになった。補助金があるからこそ、多種多様なNPOの組織継続が可能となり、世の中に存在している社会福祉事業がある。NPOと政府の関係が多面性を増す今日だからこそ、NPOへの補助金の意義が大きいことも見出された。

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2011 『北ヨーロッパ研究』に掲載された著作物の著作権は,著者に帰属するものとします.
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