2021 年 10 巻 1 号 p. 2-10
目的:認知症発症が疑われる段階や適切な支援を受けずに孤立している状態にある一人暮らしの認知症高齢者に対する地域包括支援センター看護職のアウトリーチ・スキル、特に初期段階におけるかかわりを明らかにする。
方法:認知症初期集中支援チームに所属する地域包括支援センターの看護職9名を対象に半構造化インタビューを行った。
結果:【会ったことのない認知症(が疑われる)高齢者を具現化する】【接触するタイミングを自作する】【社会的信用を用いて支援の扉を開ける】【五感を用いてその人を感じ取る】【最初に着手すべきポイントを見極める】【相手が対話したいと思う人物を演出する】という高齢者に対する個別の支援技術と、【アウトリーチ中の危機に備える】【関係機関間の横断的連携を強化する】【地域住民・家族への架け橋となる】という組織として対応する技術が明らかになった。
結論:認知症が疑われる独居高齢者や孤立している状態にある一人暮らしの認知症高齢者に対する地域包括支援センター看護職のアウトリーチ・スキルは、高齢者が認知している世界観や主観に沿った対応技術、職員のリスク管理と心理的負担を軽減する技術など、重層的かつ包括的な性質を有していた。