2021 年 10 巻 1 号 p. 22-31
目的:熟練訪問看護師が対象者に「なんとなく変」と気づいた際、どのような事象を捉え、どのような臨床判断がなされていたのかを明らかにする。
方法:熟練訪問看護師7名を対象に半構成化面接を行い、質的記述的方法により分析した。
結果:「なんとなく変」の気づきは、【いつもと違う見た目】【反応・応答が鈍い、いつもより口数が少ない】など8つのカテゴリーが抽出され、臨床判断は【観察結果から直観的に判断する】【現在の状況について現病歴・既往歴から瞬時に分析的な推論をし行為に至る】などの9つのカテゴリーに集約された。
結論:熟練訪問看護師の「なんとなく変」という気づきの大半は直観的な気づきであり、異変にいち早く気づくために看護師と対象者の関係性が重要であることが明らかとなった。熟練訪問看護師は瞬時に推論し、判断と同時に行為を行っていた。臨床判断を行うためには、看護師としての対象者に対する責任や知識の獲得への意欲が必要であり、臨床判断能力を高めるためには、行為への省察が重要であることが示唆された。