2020 年 8 巻 2 号 p. 79-86
目的:訪問看護師の利用者や家族へ心理的な距離を近く感じ心を寄せる「利用者・家族への親近感」、看護専門職として冷静かつ客観的な視点でケアする「専門職としての客観性」の2つの独立した一次元下位尺度で構成される訪問看護師の「2.5人称の立ち位置」の尺度化を試みることを本研究の目的とした。
方法:訪問看護師341名に「2.5人称の立ち位置」の「利用者・家族への親近感」下位尺度16項目、「専門職としての客観性」下位尺度6項目をinitial scaleとして無記名自記式質問紙調査を実施し、項目分析、一次元尺度作成のための主成分分析、下位尺度間相関係数の分析を行った。
結果:255名(回収率74.8%)の回答を得た。主成分分析し「客観性下位尺度」は第1主成分6項目と増減なし、I-T相関分析ではr=.908~.939であった。「親近感下位尺度」第1主成分は、16項目から5項目が抽出され、I-T相関分析では、抽出5項目でr=.807~.915であった。信頼性は、「専門職としての客観性」下位尺度6項目でα=.968、「利用者・家族への親近感」下位尺度5項目でα=.911であった。妥当性は、下位尺度間の相関係数がr=.029と低く理論的関係性と一致した。
結論:訪問看護師の2.5人称の立ち位置尺度は、利用者・家族への親近感下位尺度5項目、専門職としての客観性尺度6項目から構成され、初期段階の尺度として信頼性と妥当性が支持された。