2020 年 9 巻 1 号 p. 2-11
目的:訪問看護サービス利用中の在宅要介護高齢者において、訪問看護師が捉える睡眠薬の関連が推察される有害事象と訪問看護師が行ったケアの実態を記述する。
方法:質的事例研究法を用い、睡眠薬を服用している利用者を担当した経験のある訪問看護師4名に、半構造化面接を行った。語られた7事例から、類似性と相違性に着目しながらパターンを質的帰納的に記述した。
結果:主たる有害事象として夜間歩行時のふらつき・転倒や睡眠薬追加服用による翌日への持越し効果と日中活動の低下、大量服薬による意識レベルの低下が生じており、訪問看護師のケアとして適切な睡眠習慣と睡眠薬内服のタイミングの調整、睡眠薬使用の見直しと家族の夜間の介護負担軽減との調整、多職種との連携体制づくりが行われていた。
結論:睡眠薬が関連していると推察される有害事象の背景には、在宅特有の環境要因が見出された。このことは、在宅要介護高齢者の安全と安楽を脅かす事故に直結する可能性が示唆された。