抄録
デンショバトによるSKINNER箱におけるオペラント行動の研究では, 強化子 (reinforcer) として餌が用いられるために, 被験体は, 一般飢餓動因下におかれている (2) 。 われわれは, 通常, 強化子としては麻の実を用い, 飢餓動因統制は, 飼料を制限して, 飼料自由給与時の安定体重 (ad lib.体重) の80%を保つことにより行なっている (7) 。
筆者は, このような条件下で獲得されたオペラント行動は, 被験体が飢餓動因から解放されると, 麻の実自由給与条件下ではほぼ消失し, 麻の実非給与条件下では著しく回復するという事実を見い出したので, ここに報告する。