障害科学研究
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盲児に対する分数のわり算の指導法に関する研究
—触覚的イメージに依拠した文章題と操作可能な教具の有用性の検討—
岩田 恵実青柳 まゆみ佐島 毅
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2022 年 46 巻 1 号 p. 137-147

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抄録

本研究は、一般的に理解が難しいとされている分数のわり算について、視覚を活用した学習が困難な盲児の理解を促すための触覚的イメージに依拠した文章題(以下 、触覚的文章題) と操作可能な教具を作成し、それらの有用性を検討することを目的とした。特別支援学校(視覚障害) 中学部に在籍する盲生徒8 名を対象とし、触覚的文章題の有用性を検討するために、視覚的イメージに依拠した文章題との比較に関する調査を行った。また操作可能な教具の有用性を検討するために、点図と操作可能な教具をそれぞれ用いた介入指導をクロスオーバー法で実施した。その結果、触覚的文章題の有用性について、比較課題からは明らかにならなかったものの、内省では支持する回答が多数認められた。操作可能な教具の有用性については、立式の際にわられる数とわる数を適切に認識する上で効果的であることが示唆され、内省からも支持する回答が多数認められた。

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