日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
断層極近傍のための理論地震動シミュレーション法を用いた断層表層領域破壊時の地震動推定
山田 雅行羽田 浩二今井 隆太藤原 広行
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 15 巻 2 号 p. 2_77-2_90

詳細
抄録

断層極近傍における地震動予測を目的として、全無限一様弾性体のグリーン関数公式を用いた理論地震動の数値シミュレーション法を用いて、断層の極近傍において理論地震動シミュレーションを実施する際の積分誤差の評価を行った。その結果、観測点との距離Lに対して積分要素寸法が0.5×L以下となる必要があることを確認し、地表まで露頭した断層を考える場合の効率的な要素分割を提案した。その上で本論文の主題である、地震発生層上端~地表(断層表層領域)においても地震動を発する可能性があると考えた場合に、断層の極近傍における地震動強度の数値シミュレーションを行った。本研究で考察した条件の下では、断層表層領域における地震動の生成を考慮した場合には、断層表層領域を考慮しない場合(破壊開始点が右側下端)に比べて、最大速度(平均)、最大加速度(平均)は、それぞれ1.7倍、1.6倍程度となった。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top