動物心理学年報
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ネコの視床下部刺激によるスイッチ切り行動におよぼすchlordiazepoxideの影響
松田 伯彦
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1966 年 16 巻 2 号 p. 133-139

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抄録

本研究の目的は, ネコの視床下部刺激によるスイッチ切り行動におよぼすchlordiazepoxideの影響についてみることである。
chlordiazepoxideを10mg/kg筋注し, 筋注前, 筋注30分, 1時間, 2時間, 3時間, 24時間後にそれぞれスイッチ切り行動の潜時を記録した。
その結果筋注30分~1時間ごろより徐々にchlordiazepoxideの抑制効果があらわれ始め2時間後にスイッチ切り行動の潜時が最も長くなり, 3時間後ではわずかに抑制効果が弱くなり, 24時間後では薬剤投与前と同じ潜時になり, 効果がみられなくなった。
chlordiazepoxideの脳内作用点は本研究から視床下部に抑制的に働くと考えられるが, しかし, 他の研究から扁桃核に抑制的に作用するとも解釈され, これらの考えは扁桃核が視床下部に対して調節作用のあることから説明した。

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© 日本動物心理学会
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