1966 年 16 巻 2 号 p. 117-132
self-stimulation手続きによって視床下部内側前部を電気的に刺激し, その刺激を報酬としてオペラント型反応を行なわせるならば, 慢性覚醒剤中毒動物に見られる反応性の減退した状態は現われては来ない。さらに電気痙攣ショック (ECS) 施行の学習に対する効果とは全く相反して, self-stimulation手続きによって視床下部内側前部に与えられる報酬としての電気的刺激の場合には学習を促進し, 活動性を高める効果が見られる。以上の結果はself-stimulation手続きによって与えられる報酬としての電気的刺激が行動上に与える持続的変化, 性格の変化 (15), あるいはself-stimulation手続きによる情動条件反応 (CER) の除去 (3), さらに精神病者の梃子押し反応 (16), ヒトの精神病に対するself-stimulation手続きの臨床上の効果に関する2, 3の所見 (12, 27) とも一致している。