抄録
ハト, ネズミにおける体重統制手続を参考にして, 成年のニホンザルの体重統制を試みたところ, ニホンザルにおいては, 食餌制限による体重低下に対する抵抗力が強く, 飽食体重の80%にまで低下させるのに要する日数は, ハトにくらべて約3倍であり, 食餌の制限も, かなり厳しくしなければならないことが明らかにされた。また, 実験体重に維持する際の給餌量の目安として, 飽食体重の1%に相当する量の固形飼料を与えるという実際的な方法が提案され, また, 体重統制下での被験体の健康状態についても考察されている。