日本臨床細胞学会雑誌
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原著
サーベックスブラシTMを用いた split-sample による BD シュアパスTM液状化細胞診と直接塗抹法における標本適否の比較
芦川 智美梅澤 敬野村 浩一恩田 威一神谷 直樹山田 恭輔岡本 愛光落合 和徳池上 雅博
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2014 年 53 巻 2 号 p. 89-93

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抄録

目的 : サーベックスブラシTMを用いた split-sample による, BD シュアパスTM Liquid based cytology (以下, LBC) と直接塗抹法の不適正率, および条件付適正を明らかにすること.
方法 : サーベックスブラシTMで採取し直接塗抹後, ブラシ先端を専用バイアルに回収し BD シュアパスTM標本を作製した. 標本適否は The Bethesda System 2001 に準拠し, 適正, 条件付適正, 不適正の 3 つに分類した.
成績 : 対象は 363 例, 年齢は平均 48 歳 (26∼82 歳) であった. 不適正の割合は, 直接塗抹法 16 例 (4.4%) に対し, BD シュアパスTM LBC 0%と有意に減少した (p<0.001). 条件付適正は, 直接塗抹法 76 例 (20.9%) に対して BD シュアパスTM LBC 0%であった. 不適正の主な要因は, 好中球による観察不可能部分が 75%を超えるものが 13 例 (81.2%), 同様に条件付適正では 66 例 (86.8%) であった.
結論 : 子宮頸がん検診においてサーベックスブラシTMと BD シュアパスTM LBC の組み合わせが, 直接塗抹法と比較して適切な条件であった.

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© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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