動物心理学年報
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飼育ニホンザルの初期母子関係 (2)
母子間距離と幼体の位置移動の発達を中心に
南 徹弘
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1976 年 26 巻 1 号 p. 23-29

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抄録
本研究の目的は, これまで幼体の母からの分離あるいは独立性を表わす一つの指標と考えられてきた母と幼体との間のへだたりを母と幼体の行動分析との関連から明らかにすることである。使用された被験体は野外で誕生した経産の雌ザルとその幼体 (3匹とも雄) の3ペアーである。
本論文で取り上げられた母と幼体との間のへだたり0.5m (D0.5) は幼体の運動能力の発達と関連があり, このD0.5の形成に幼体は直接的に, 母は, 幼体と比較すると間接的にかかわっていることが示唆された。
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© 日本動物心理学会
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