動物心理学年報
Online ISSN : 1883-6283
Print ISSN : 0003-5130
ISSN-L : 0003-5130
26 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 関口 茂久, 牧野 順四郎, 阿部 元子
    1976 年 26 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    4系統の雄マウスを用いて, 12時間明暗サイクルの正常・逆転の2条件と4つの週令群とについて, 24時間回転活動の昼夜周期に関する実験が行なわれた。
    24時間回転活動の昼夜周期には, LD条件において, 明から暗への切替時刻に急激な増加を現わす系統 (DBA と I20マウス) と数時間遅延して増加する系統 (C57BL とC3H マウス) とが見出された (Fig.1) 。 DL条件においては, DBA と I20マウスの昼夜周期が逆転し, C57BL と C3Hマウスでは夜間の活動に多少の変動が現われるだけである (Fig.2) 。
    24時間総回転数の時間的分布は, LD条件において不活動期に系統差があることを示している (Table 2) 。さらに, DL条件になると, このような傾向が消失したり夜間へ移行したりする。両条件に共通した変動傾向は約3時間にわたって持続することである。分散分析の結果, 週令以外の要因とそれらの交互作用に有意差が認められた。結論的には, マウスの回転活動の昼夜周期は3週令時より現われ, 系統間の遺伝的差異が認められる。また, この周期性が昼夜の明暗サイクルに依存して同調し, 系統間において異なる傾向が認められた。以上の結果は, マウスの行動上ならびに睡眠サイクルにおいて見出された系統差から論議されたが, この周期性が日周性に依存しているか否かについては, 今後の研究によって明らかにされるであろう。
  • 北川 歳昭
    1976 年 26 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    キンギョCarassius auratus を用いて, 10日間にわたる弁別刺激の無強化前提示が後の同時弁別学習に及ぼす効果を2つの実験によって検討した。得られた結果は次のようにまとめられる。
    1) 弁別刺激前提示群は, 無関連刺激前提示群及び無提示統制群よりも無反応試行数が少なく, 弁別刺激への馴れを示した。
    2) 弁別刺激前提示群は, 無関連刺激前提示群及び統制群よりも所要試行数と誤反応試行数が多く, 弁別学習の遅れを示した。
    3) 無関連刺激前提示群は, 弁別刺激前提示群及び統制群よりも弁別学習の実行においてすぐれていた。
    4) 1日の弁別刺激前提示が22時間の群, 30分の群及び統制群の3群を比べると, 前提示時間が長い群ほど弁別刺激への馴れを示し, 弁別学習が遅れる傾向があった。
  • 母子間距離と幼体の位置移動の発達を中心に
    南 徹弘
    1976 年 26 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, これまで幼体の母からの分離あるいは独立性を表わす一つの指標と考えられてきた母と幼体との間のへだたりを母と幼体の行動分析との関連から明らかにすることである。使用された被験体は野外で誕生した経産の雌ザルとその幼体 (3匹とも雄) の3ペアーである。
    本論文で取り上げられた母と幼体との間のへだたり0.5m (D0.5) は幼体の運動能力の発達と関連があり, このD0.5の形成に幼体は直接的に, 母は, 幼体と比較すると間接的にかかわっていることが示唆された。
  • 石井 巌, 原田 恭子, 渡辺 伸寿
    1976 年 26 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    動物を被験体にした弁別学習実験は多くなされてきた。弁別される刺激も, 種々のものが用いられてきた (2) 。しかし, これらの中でも, 資料が豊富なのは, ラット・ハト・サルなどの被験体についての視覚的な刺激を用いた実験であろう。ラットに音の周波数の弁別をさせた実験は少ない。
    HANSON (1) やTERRACE (4, 5) 以来, 弁別学習後の般化勾配の頂点移動や無誤反応継時弁別に関する実験もかなりなされているが, ほとんどがハトを被験体にした視覚刺激 (光の波長) の弁別である。
    本実験の目的は, ラットを被験体にして, スキナー箱でのフリーオペラント事態において聴覚刺激 (音の周波数) の継時弁別学習をさせ, その可能性をみること, その後の般化勾配における頂点程動の有無をみること, および同様の事態における無誤反応継時弁別学習の可能性とその後の般化勾配における頂点移動の有無を見ることである。つまり, 頂点移動に関するある仮説を検証するための実験ではなく, ラットの聴覚弁別およびその際の頂点移動に関する資料を得ることにある。実験Iと実験IIとから成る。実験Iでは, フリーオペラント学習事態における音刺激に対する通常の継時弁別学習の可能性をみることと, 頂点移動の有無をみることとがなされる。実験IIでは音刺激の無誤反応継時弁別学習の可能性をみることと, その際の頂点移動の有無をみることとがなされる。
  • 1976 年 26 巻 1 号 p. 41-67
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
feedback
Top