動物心理学年報
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ネズミの弁別学習に関する “連続性論爭” の一考察
丸山 浩
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1954 年 4 巻 p. 61-68

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抄録

以上この実験では, cue-reversal techniqueを用いて弁別学習に於ける連続説と非連続説の対立を吟味したのであるが, 被験動物が異つたのみでその他の実験条件を等しくしながら, 連続説の期待に反して, 先行訓練の最終学習過程に及ぼす正又は負の波及を認めることは出来なかつた。
連続説の側で得た結果との不一致は, ここでは, 位置習性の機構が, 単に位置に対する興奮傾向の優越にもとずくものでなく, 何等かの他の要因に基くことを暗示させる結果となつた。最後に実験結果そのものは非連続説の期待と一致したが, それだからといつて, このことから直ちにいわゆる解決前期の特徴的反応様式-例えば位置習性等-が動物の “仮説” を示すと断定することは困難であることが示された。従つてこの論争を解決する為には更に異つた手続による案験の結果をまつ必要がある。

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© 日本動物心理学会
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