1956 年 6 巻 p. 115-118
MUENZINGERは視覚弁別学習に及ぼす電撃の効果について一連の研究を行つて来たが1952年には, 次の様な仮説の下に実験を行つている (3) 。つまり視覚弁別習性に於る電撃は矯正及び非矯正事態での正反応及び誤反応に対して学習を促進する機能を有している。然しそれに加えて或る環境下では回避的機能を有し, 促進効果を覆うかも知れない。故に動物を予め電撃に順応させ電撃の回避機能を克服させれば, 促進効果は明らかに現れるだろうというのである。彼の実験結果は此の仮説を支持するものであるが筆者は多少条件を変え此の仮説の吟味実験を行つた。即ち弁別学習に及ぼす電撃の一般的機能及び特殊機能を再検討し, 更に此の両機能の相互関係を弁別訓練以前の電撃の経験の有無による影響から検証する。