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Print ISSN : 1346-4116
研究論文
ワーカーズ・コレクティブのマネジメント
―北海道におけるワーカーズ・コレクティブの事例分析―
菅原 浩信
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2012 年 12 巻 1 号 p. 9-20

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抄録
本稿においては,設立後10年以上を経過している北海道内のワーカーズ・コレクティブ6組織を取り上げ,どのようなマネジメントを展開しているのかについて分析を行った.その結果,これら6組織は,以下に示す有効なマネジメントを展開していることが明らかとなった.(1)コミュニティを構成する諸団体と連携した取り組みを行っている.(2)様々な競合他組織を認識し,それらとの明確な差別化が図られている.(3)事業の理念や目標が組織メンバー間で共有されている.(4)組織メンバーのモチベーションや満足度を向上させるための仕組みが構築されている.(5)顧客や事業内容についての情報を共有するための仕組みが構築されている.また,今後,ワーカーズ・コレクティブは,以下に示すようなマネジメントを展開すべきであることも明らかとなった.(1)他業種・他地域のワーカーズ・コレクティブとの連携をさらに強化し,多様な取り組みを行う.(2)顧客志向とこだわり志向のバランスを確保する.(3)意思決定における公平性と迅速性を両立させる.(4)連合組織の機能強化と相互の役割分担の明確化を図る.(5)幅広い範囲からの人材確保を図る.(6)後継者の育成を進める.
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© 2012 Japan NPO Research Association
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