コロナ禍においてホームレス支援は,いかにして可能か.本稿は,ホームレス支援NPO仙台夜まわりグループが行ったホームレス支援活動を事例として,感染症拡大を避けなければならないという,これまで経験したことのない状況にあって,仙台夜まわりグループが,どのような決定を行ったのか,その決定に基づいてどのようにホームレス支援活動を行ったのかについて検討し,コロナ禍によって顕となったNPOの脆弱性と課題について考察した.その結果,万が一,ホームレスがコロナ感染症に罹患したとしても,また,「NPOスタッフ」やボランティアがコロナに感染したとしても,自己責任とされてしまい,感染症拡大において最もケアしなければならない社会的弱者に対する,そのケアの基盤は脆弱であることが明らかになった.