抄録
阪神・淡路大震災の被災地ではNPOが「新しい市民社会」に向けて政策提言活動を行っている.その原点には震災ユートピアと呼ばれた「市民同士の共助」および「市民と行政の協働」の体験がある.「新しい市民社会」の思想はコミュニタリアニズム,討議的民主主義,サステイナブル・コミュニティである.
現在の日本においては市民とか市民社会という用語はあまり評判が良くないが,一人ひとりのQOLを向上させ,Social Inclusionを実現させ,持続可能な国をつくっていくには市民社会が必要であり,それを担うのは市民である.自立・自律の精神をもった市民には強靭な精神,論理的思考力と倫理観が求められる.