日本看護科学会誌
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研究報告
小児看護における看護実践を記述する用語の構造と特徴
二宮 啓子小野 智美村田 惠子中西 睦子太田 勝正水流 聡子唐澤 由美子中根 薫井上 真奈美
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2007 年 27 巻 2 号 p. 2_61-2_70

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抄録
学術用語としての看護用語の体系化を目指し,小児看護師が自ら行った実践をどのような用語を用いて表現・記述しているかについて明らかにすることを目的に研究を行った.
研究方法は,小児看護師28名を対象者とし,調査当日にケアした患者1名に行った看護実践項目を順番に記述してもらい,その後記述された看護実践行為の内容について面接を行った.面接内容を,「行為ラベル」「行為の判断根拠」「行為のねらい」「行為内容」「同時行為ラベル」「同時行為のねらい」「同時行為内容」に分類し,項目の性質および項目間の関係について分析を行った.
その結果,小児看護師が報告した調査当日の看護実践項目(行為ラベル)は39種類,184件であった.そのうち,82件が同時行為を伴っており,1つの看護実践を記述する用語に複数の看護行為が含まれる傾向がみられた.行為ラベルと行為内容との関係については,およそ4分の1が,行為ラベルが行為内容と一致せず,特に行為内容の一部のみを表現するものが多かった.また,小児看護における看護実践用語の特徴としては,母子関係への支援,子どもの発達支援,家族支援等に関する行為ラベルが全体の21%を占めていた.
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© 2007 公益社団法人 日本看護科学学会
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