日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
その他
ターミナルケアにおける看護師の倫理的関心
――解釈学的現象学アプローチを用いた探求
和泉 成子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 27 巻 4 号 p. 4_72-4_80

詳細
抄録
目的:日本のターミナルケアの中に内在する臨床に即した看護の倫理的価値観を帰納的に抽出・記述することを目的に本研究を行った.
方法:ターミナルケアの経験を有する看護師32名を対象に非構成インタビューを行い,Bennerらによる解釈学的現象学の手法を用いてその逐語録の分析を行った.
結果:ターミナルケアにおける看護師の倫理的価値観は,それぞれの場面で看護師が大事にしているあるいは気にかけている「関心」として表された.抽出された倫理的関心は,①患者を傷つけない,②誠実,③隔絶・孤独の解消,④その人らしさを尊重する,⑤患者の希望を尊重する,⑥安楽,苦痛からの解放,⑦患者が有意義なあるいはよい時間を過ごすの7つであった.
結論:これらの倫理的関心は日本の看護に内在する倫理的価値であり,生命倫理における倫理原則と共通する部分もあるが,文化的意味や動機づけなど異なる部分もあった.
著者関連情報
© 2007 公益社団法人 日本看護科学学会
前の記事
feedback
Top