2009 年 29 巻 3 号 p. 3_85-3_91
目的:リカバリー評価尺度の特徴について,文献の知見を整理し,わが国での今後の研究課題について示唆を得ること.
方法:PubMed,CINAHL(収載:1995~2008年8月)をデータベースとして,キーワードの,recovery,scale,mental illnessをすべて含む文献や,その引用文献なども含めた中から,計28編の英語文献を対象とし,分析・整理した.
結果:発表されているリカバリー評価尺度は20種類以上あり,測定する対象や方法によって,①リカバリーを連続的スコアにより評価する尺度,②リカバリーを,ステージにより評価する尺度,③リカバリーへの志向・姿勢・知識を評価する尺度,④リカバリーを促進するプログラムや環境を評価する尺度,の4つに分類され,さまざまな介入プログラムに用いられていることが明らかになった.
結論:今後は,日本文化に合ったリカバリーを適切に評価し得るような,日本語のリカバリー評価尺度を開発する必要性が示唆された.