日本看護科学会誌
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研究報告
小児の入院と母親の付き添いがきょうだいに及ぼす影響
─母親の認識を通した,きょうだいの肯定的な変化─
新家 一輝藤原 千惠子
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2010 年 30 巻 4 号 p. 4_17-4_26

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抄録

小児の入院と母親の付き添いによるきょうだいの肯定的な変化について,母親(N=201)の認識を通して調査し,その内容を明らかにすることを目的に自由記述回答形式の質問紙調査を行った.分析には,Krippendorff(2004)の内容分析の手法を用いた.その結果,きょうだいの肯定的な変化についての記述201件から抽出された368記録単位は93コードに分類され,そこから26サブカテゴリーに類型化され,最終的に【現状の把握】【情動の変化・成長】【肯定的な行動の変化・増進】【情動のコントロール・抑制の増進】【自立的行動の増進】の5テーマが形成された.きょうだいは,小児の入院という家族にとっての逆境の中において,辛い気持ちや寂しい気持ち,不安といった否定的な感情を抱きながらも,入院児や家族のために頑張ろうと肯定的な変化もしている.きょうだいの肯定的な変化に注目し,その姿を認めねぎらっていき,きょうだいの否定的な変化の緩和に繋げたい.

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© 2010 公益社団法人 日本看護科学学会
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