抄録
目的:自閉症スペクトラム障害のある児とともに生活するきょうだいが,生活を構築する過程と様相を明らかにすることを目的とする.
方法:研究方法には,Grounded Theory Approachに基づく継続比較分析法を用いた.
結果:対象者は,12歳から22歳までのきょうだい10名であった.きょうだいが生活を構築する過程には,『まもるための他者への働きかけ』『同胞の世界との距離を保った付き合い』『自身の存在に対するゆらぎ』『親を気遣う』『同胞を切り離せない将来の生活への思考』という概念が存在し,《まもり》という概念を抽出した.
考察:きょうだいは,周囲の人々に対し『まもるための他者への働きかけ』を行いながら,家庭では『同胞の世界との距離を保った付き合い』と『親を気遣う』状況を継続させ,その間に『自身の存在に対するゆらぎ』によって発達し,『同胞を切り離せない将来の生活への思考』を進めるという,生活と存在の《まもり》によって生活を構築していく.