抄録
目的:千葉県における訪問看護ステーション(ステーション)の人員規模拡充(①看護職常勤換算数,②16か月間の採用から退職を減じた看護職常勤換算数(16か月間人数変動))に関連する要因を明らかにした.
方法:対象は千葉県の全ステーション213件のうち回答のあった78件(回収率36.6%)の管理者である.職員数等の属性,管理者の裁量権,職場環境,管理者および設置主体の人員規模拡大意向,給与状況等を把握するための無記名式質問紙調査を実施し,変数間の関係を分析後,①と②に関連のあった変数を投入した重回帰分析を行った.
結果:①看護職常勤換算数の増加に関連している要因は,管理者の残業時間が多いこと,年間賞与額,人事決定権を管理者がもつこと,減少は人事決定権を設置主体がもつことであった.②16か月間人数変動の増加に関連している要因は年間賞与額,減少は医療法人,スタッフの業務上の困難について相談できる体制が整っていないことであった.