日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
原著
救急外来を受診後に帰宅した患者の30日以内の再受診パターン:
比較事例研究
寺本 千恵永田 智子成瀬 昂横田 慎一郎山本 則子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML

2018 年 38 巻 p. 336-345

詳細
抄録

目的:救急外来受診後30日以内の再受診例に関し,再受診の原因や経緯からパターンを見いだすことを目的とした.

方法:診療録による比較事例研究の手法で分析した.2013年2月~12月に都内1大学病院救急外来を受診した患者のうち30日以内に再受診をした者を対象とした.事例―コードマトリックスによる分析から事例をパターン分類し,パターン別に群間比較した.

結果:136事例は,初回受診時に医師から再受診を促された【予定再受診】,帰宅後に再受診を促された【医療職者の指示による再受診】,同じ症状が悪化した【医療が必要になった再受診】,異なる症状が出現した【異なるエピソードでの再受診】,再受診の必要性が低いと思われる【軽症での再受診】の5つのパターンに分類された.

結論:本研究では,救急外来の再受診には5つのパターンがあること,初回の救急受診時に患者のパターンを把握し,それぞれに必要な支援をすることの重要性が示唆された.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人日本看護科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top