日本看護科学会誌
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原著
造血幹細胞移植準備期に携わる看護師における「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」の交差妥当性の検討
山道 真帆梶原 右揮森本 美智子
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2026 年 46 巻 p. 332-343

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Abstract

目的:造血幹細胞移植に携わる看護師を対象として,移植準備期における「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」の交差妥当性を検討する.

方法:全国の同種移植件数が平均月1件以上の診療科に勤務する看護師を対象に自記式質問紙調査を実施した.確証的因子分析により,振り返り尺度の因子構造およびモデル適合度を検討した.

結果:30施設283名から回答を得て,261名を分析対象とした(有効回答率61.1%).モデル適合度は,CFI = .886,TLI = .866,RMSEA = .077であり,概ね許容可能な水準であった.外的基準に設定した移植後長期フォローアップ外来担当資格の有無により得点差が認められ,小~中程度の効果量を示した.

結論:「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」は造血幹細胞移植に携わる看護師の移植準備期の看護支援においても開発時と同様の因子構造を示し,一定の交差妥当性が示唆された.

Translated Abstract

Objective: This study aimed to examine the cross-validity of the “Scale to Reflect on Nursing Support in Patients’ Treatment Decisions” among nurses involved in hematopoietic stem cell transplantation (HSCT) during the preparation phase.

Methods: A self-administered questionnaire survey was mailed to nurses in medical departments nationwide in Japan that had performed an average of one or more allogeneic transplants per month. Confirmatory factor analysis (CFA) was performed to evaluate model fit indices and assess the extent to which the factor structure established during scale development was reproduced.

Results: Responses were obtained from 283 nurses across 30 facilities, with 261 included in the analysis (valid response rate: 61.1%). Model fit based on the factor structure established during scale development yielded CFI = .886, TLI = .866, and RMSEA = .077, indicating a generally acceptable model fit. Score differences were observed based on the external criterion of having or lacking post-transplant long term follow-up outpatient qualifications, demonstrating a small to moderate effect size.

Conclusion: The “Scale to Reflect on Nursing Support in Patients’ Treatment Decisions” demonstrated a factor structure consistent with that identified at the time of its development, indicating preliminary evidence of its cross-validity in the context of nursing support during the HSCT preparation phase.

Ⅰ. 緒言

造血幹細胞移植(以下,移植)は,白血病やリンパ系悪性腫瘍などの血液がんに対して,ドナーから採取した健康な造血幹細胞を移植する治療法である(日本造血・免疫細胞療法学会,2025a).血液がんは,固形がんとは異なる経過を辿り,経過の予測が難しいことが指摘されている(El-Jawahri et al., 2020藤本ら,2024).さらに移植治療は,ドナーという第三者の存在が治療選択に影響するため,移植時期や移植ソースを患者自身の意思だけでは決められないという特徴がある(政府広報オンライン,2024).家族がドナーになる場合は,家族への負担に対する葛藤も生じる(Yuan et al., 2024).また,白血病やリンパ系悪性腫瘍はAdolescent and Young Adult世代(以下,AYA世代)に多く(国立がん研究センターがん情報サービス,2018),就学・就労や妊孕性温存など若年特有の課題も伴う(西森,2023).したがって,移植治療を受ける患者には,医学的・心理社会的側面を踏まえた個別性の高い看護支援が求められる.

移植治療を受ける患者に対する看護支援には,個別性が求められる一方,移植前処置から移植後フォローアップまでの支援は一定の標準化が進んでいる(日本造血・免疫細胞療法学会,2025b).しかし,患者が移植を決断して,入院し,移植治療を開始するまでの「移植準備期」は,標準化が進んでおらず,特有の課題を有する.寛解導入療法や地固め療法を行った施設と移植を行う施設が異なる場合には,この期間は非常に短くなることもある(森ら,2008).移植準備期は移植治療の意思決定直後であり,患者には移植治療を受容する気持ちと迷う気持ちが混在する.移植治療に対する心理・社会・経済的不安や,疾患や治療に対する不確実性による不安や抑うつが生じやすい(Nakano et al., 2024).さらに,ドナーの有無や骨髄提供の可否など,自己では調整できない要因に対する葛藤もみられる(田中・瀧川,2012).このように,課題が多いにもかかわらず,移植準備期の看護支援に関する先行研究は乏しく,実態は明らかでない.したがって,看護師がこの時期の看護実践の中で何に着目し,どのように状況を捉え,何を熟考して支援を選択しているのかを可視化できる指標が求められる.これらを明らかにすることは,移植準備期特有の課題の把握のみならず,自身の看護支援における強みや改善点を見つめることになり,移植看護全体の質の向上にもつながると考えられる.しかし,移植治療の意思決定直後で,不確かさや葛藤が大きい移植準備期の患者を支援する際の,看護師の実践中の熟考を定量的に測定する指標は国内外に存在せず,その視点や要素も明らかにされていない.

専門職が実践の最中に状況を多面的に捉え,その場に応じた看護支援をどのように組み立てるかを熟考することは,既習の知識や思考の習慣を再構築し,専門性を高める契機となる(Schön, 1983/2007).Schönはこれをreflection-in-action(行為中の熟考・省察)と呼び,暗黙知を用いて複合的な状況を即時に判断する重要な思考様式と位置づけている(Schön, 1983/2007).看護実践における思考は,行為後の省察(reflection-on-action)によっても深化するとされ(Patel & Metersky, 2022),広義のリフレクション(reflection:振り返り)は行為中と行為後の双方を含む概念である.しかし,これまで十分に可視化されてこなかった移植準備期の看護実践中の熟考を捉えるためには,その場その時の看護師のreflection-in-actionに焦点をあてて検討する必要がある.

臨床看護師のリフレクションの構造を検討した研究(池西ら,2007)では,“対話”,“状況への関心”といった要素が示されているが,実践中に看護師がどのような視点で熟考しているのかを具体的に測定する指標は確立されていない.尾形(2021)によって開発された「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度(以下,振り返り尺度)」は,手術や抗がん剤治療,緩和ケアなど,治療選択に際して葛藤や苦悩を経験しているがん患者や難病患者を支援する看護師が,どのような点に着目していたか,行為中の自身の看護実践を振り返り評価することを可能とする尺度であり,構成概念妥当性と信頼性が示されている.しかし,造血幹細胞移植看護に携わる看護師は開発時の対象に含まれておらず,この領域での適用可能性は未検討である.本尺度(尾形,2021)は,得点が高いほど,患者・家族の背景や医療チームの状況も含めて多面的に支援できていると解釈され,臨床判断力の高さを示すとされるが,移植看護という特徴的な領域における交差妥当性はこれまで検討されていない.

測定尺度の妥当性は,特定の対象集団だけでなく他の対象集団においても支持される必要がある(古谷野・長田,1992).振り返り尺度の因子構造が,移植施設に勤務する看護師においても再現されるかを確認することは,移植準備期の看護実践における熟考の視点を測定する指標としての有用性を示す.これは,移植準備期においても,看護師が実践中に用いている熟考の視点が共通していることの裏づけとなり,治療の意思決定直後で不確かさや葛藤が大きい患者を支援する際にも,振り返り尺度が適用可能であることの示唆となり得る.振り返り尺度が移植準備期においても同様の因子構造と妥当性を示すかを検討することは,これまで着目されてこなかった移植準備期の看護を可視化し,移植準備期の看護実践の理解の深化にも資する.

本研究の目的は,造血幹細胞移植看護に携わる看護師を対象に,移植準備期における「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」の交差妥当性を検討することである.

Ⅱ. 用語の定義

1. 振り返り

看護実践をしているその場その時に,看護支援を組み立てるために状況を多面的に捉え,深く考えていることを指し,Schön(1983/2007)が述べるreflection-in-action(行為中の熟考・省察)に相当する.すなわち,その場で自身の看護実践を患者ケアの成果向上に反映させるためにはどうすればよいかを熟考する認知的働きを意味する.本研究では,実践後の省察(reflection-on-action)は含めず,実践中に行われた熟考を「振り返り」と定義する.

2. 移植準備期

患者が移植を受けると決断し,移植を受けるための病棟に入院(または転院)してから,移植前処置として抗がん剤投与を開始するまでの期間.

Ⅲ. 方法

1. 研究対象者

対象者は,日本造血・免疫細胞療法学会が定める,移植施設認定基準による認定診療科一覧(日本造血・免疫細胞療法学会,2023)に記載のある全国の診療科に勤務する看護師とした.このうち,過去5年間の同種移植件数の平均が月1件以上の診療科(日本造血細胞移植データセンター,2022)に現在1年以上勤務している者を対象とした.常勤・時短勤務などの勤務形態は問わなかった.小児診療科に勤務する者,管理業務に従事している者,および外来部門でのみ勤務している者は除外した.

因子分析に必要なサンプルサイズは約200名とされている(Comrey & Lee, 1992).本研究では,過去5年間の同種移植件数の平均が月1件以上の選択基準を満たす診療科は全83診療科であった.50%の施設から協力が得られると仮定し,1診療科あたり15~20名が対象になると想定した.さらに,回収率を50~60%と見込み,目標サンプルサイズを300名と設定した.

2. 調査手順

過去5年間の同種移植件数の平均が月1件以上の選択基準を満たす全83診療科を有する病院の看護部長宛てに文書で研究協力依頼を行った.研究協力依頼文書に,施設概要の回答用紙を同封し,研究協力の了承が得られた場合は,施設概要の回答用紙を返信してもらうようにして対象者の人数を把握した.研究協力の了承が得られた病院の看護部長宛てに人数分の説明書・質問紙・封筒一式,回収袋,返信用レターパックを郵送した.病棟師長から病棟看護師に質問紙一式を配布してもらい,2週間の留め置き法で回答を依頼した.回答済みの質問紙は封筒に入れ厳封したうえで回収袋に入れてもらい,回収袋は病棟師長に郵送法で送ってもらうよう依頼し,回収を行った.調査期間は2024年8月26日~11月30日であった.

3. 調査項目

1) 基本属性

対象者の基本属性として,性別,年齢,看護師経験年数,移植看護経験年数を尋ねた.

2) 患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度

本研究で用いた振り返り尺度(尾形,2021)は,5因子(医療チーム状況の把握,看護師の役割認識,患者・家族の背景の把握,治療状況の把握,患者・家族の意向の吟味)全21項目で構成される.本尺度は,「支援を実施しているその時に(後で考えたことは含まない)考えた内容」を問うものである.確証的因子分析により構成概念妥当性が,Cronbach’s α(全体.935,因子別.696~.875)により信頼性が確認されている.

reflection-in-actionをリアルタイムで直接測定することは困難であるため,本研究では,回答者に過去1か月の移植準備期の看護実践を想起し,当時その場で実際に行っていた内容を回想して回答するよう依頼した.具体的には,移植準備期を明示したうえで,看護実践について「後で考えたことは含まず,この時期に考えたことを回答してください」と教示した.回答は,「常に考えていた(4点)」「時々考えていた(3点)」「あまり考えていなかった(2点)」「全く考えていなかった(1点)」の4件法で求めた.得点が高いほど,患者・家族の背景や医療チームの状況も含め,多面的に支援できていたことを示す.この解釈は,尺度開発研究(尾形,2021)では,高い臨床判断力を反映するとされている.

3) 外的基準を用いた妥当性の検討のための項目

振り返り尺度開発研究(尾形,2021)では,「社会的クリティカルシンキング志向性尺度」(中西ら,2006)や「臨床看護師の道徳的感性尺度」(中村ら,2003)が外的基準として用いられていたが,相関は弱かった(r = .20~.30).そのため,本研究では,移植看護により適した基準として,移植後長期フォローアップ外来(以下,LTFU外来)担当資格の有無を外的基準に設定した.

本邦で移植看護に携わる看護師は,病棟での患者支援に加え,LTFU外来での移植後患者の長期的なフォローアップの役割も担っている.移植前の心理社会的問題は,移植後のQuality of Life(QOL)に影響する可能性が指摘されており(日本造血・免疫細胞療法学会,2017),LTFU外来では移植前の患者の背景理解を踏まえた高度な看護判断が求められる.したがって,LTFU外来担当資格取得者は,移植前から移植後までの経過を一連のプロセスとして捉える視点を有し,移植準備期に必要な看護支援を多面的に把握できる立場にある.このような移植看護を経時的・包括的に捉える視点は,移植準備期の看護実践を熟考する際にも不可欠であり,LTFU外来担当資格取得者は移植準備期の文脈を理解したうえで,より高度な思考を行える可能性が高い.さらに,同資格の取得には,一定の経験年数,移植看護に関する研修受講,移植看護クリニカルラダー(以下,移植ラダー)(日本造血・免疫細胞療法学会,2016)レベルIII相当が求められる(日本造血・免疫細胞療法学会,2025c).移植ラダーレベルIIIは,看護実践能力習熟段階(日本看護協会,2023)におけるレベルIIIに相当し,複雑な状況の意味を整理し,実践知を統合できる看護師を指す.これは,移植準備期の支援において,状況に応じて適切な行動や判断を導く力と重なると考えられる.移植看護に限らず,経験年数や研修受講歴の有無は,臨床推論力や看護実践能力に差異をもたらすことが複数の先行研究でも示されている(古川,2016加藤ら,2024笹原ら,2024).以上より,LTFU外来担当資格取得の有無は,移植看護における専門性や,移植準備期の状況を的確に捉え熟考する指標としても妥当であり,資格取得者の振り返り尺度得点が高いと予測される.本研究では,既知集団妥当性を検討するために,LTFU外来担当資格の有無を外的基準に設定した.

4. 分析方法

対象者の特徴として,個人的背景と振り返り尺度の記述統計を算出した.振り返り尺度の交差妥当性の検討には確証的因子分析を行い,モデル適合度指標により開発時(尾形,2021)の因子構造が再現されるかを評価した.回答は4件法であるため,データは連続変数として扱い(Bentler & Chou, 1987狩野・三浦,2002),推定法にはロバスト最尤法を用いた.

モデル適合の評価判定には,適合度指標Comparative Fit Index(以下,CFI),Tucker-Lewis Index(以下,TLI),およびRoot Mean Square Error of Approximation(以下,RMSEA)を用いた.一般に確証的因子分析の適合度指標として,CFIとTLIは0.95以上が望ましいとされ(Hu & Bentler, 1999),RMSEAは0.08以下が許容範囲とされる(Browne & Cudeck, 1992).しかし,複雑な心理・行動モデルでは,CFI・TLIともに0.90以上を許容範囲とすることも広く支持されている(Bentler, 2007Marsh et al., 2004).振り返り尺度は,開発研究(尾形,2021)においてCFI = 0.914と報告されていることを踏まえ,本研究における交差妥当性の判断基準も開発時と同等水準である0.90をCFI・TLIの妥当な目安とした.χ2値は標本数の影響を受けやすいため(豊田,1998),本研究では指標にはしなかった.内的整合性の確認には,Cronbach’s α係数およびMcDonald’s ω係数を算出し,いずれも0.70以上を基準とした.

振り返り尺度は5つの下位因子で構成されるが,理論的には「振り返り」という包括的な二次因子に統合され得ると考えられる(Mamede & Schmidt, 2023Schön, 1983/2007).尺度開発時には二次因子モデルの検討は行われていないが,本研究では一次因子モデルに加えて二次因子モデルを仮定し,合計得点を算出可能かどうかも含めて,モデル適合度の検討を行った.

外的基準を用いた既知集団妥当性の検討としては,LTFU外来担当資格の有無による振り返り尺度得点の差をt検定で比較した.統計学的有意性は,5%水準で有意と判断した.ただし,p値はサンプルサイズの影響を受けやすいため(水本・竹内,2008),差異の検討には効果量(Cohen’s d)も併用した.効果量の解釈は,Cohenの指標(水本・竹内,2008)をもとに,0.20を小,0.50を中程度,0.80を大きい効果と判断した.

統計解析には,統計ソフトMplus Version 7.4,SPSS Premium Grad Pack 29,HAD18.0を用いた.

5. 倫理的配慮

本研究は岡山大学大学院保健学研究科研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:OUHS2024-0004F).研究対象者には,文書を用いて,研究に対する目的・意義,調査方法,協力は自由意思であること,協力の有無によって不利益を受けないこと,個人を特定されないことを説明した.質問紙は無記名とし,質問紙に同意確認欄を設け,同意確認欄へのチェックをもって研究協力の受諾とした.回答にあたり,対象者には2週間を目途とした回答を依頼した.また,回答に強制力が働かないように,病棟師長には留め置き法での回収を依頼した.回答済みの質問紙は,厳封にて提出できるようにし,個人を特定されないようにした.患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度の使用にあたっては,開発者の許諾を得た.

Ⅳ. 結果

1. 対象者の基本属性

選択基準を満たす全国の移植実施施設全83施設に研究協力を行った.そのうち,研究協力に同意の得られた31施設427名に調査用紙を送付し,30施設283名より回答を得た(回収率66.3%).このうち,同意欄にチェックのなかった2名,移植看護経験年数が未回答であった5名,移植看護経験年数が1年未満であった14名,振り返り尺度21項目のうち5項目以上欠損のあった(回答率80%未満)1名を除外し,261名を分析対象とした(有効回答率61.1%).

振り返り尺度において,1項目に欠損のある者が2名いたが,欠損値分析の結果,欠損に系統的なパターンは認められなかった.そのため欠損値に周囲平均点を代入し,分析に用いた.

対象者の基本属性を表1に示した.対象者の平均年齢は35.3歳(SD = 9.1),平均看護師経験年数は12.1年(SD = 8.7),平均移植看護経験年数は5.1年(SD = 4.1)であった.LTFU外来担当資格の保有者は64名(24.5%)であった.

表1 対象者の基本属性

n = 261)

M ± SD n(%)
性別 女性 238(91.2)
男性 21(8.0)
未回答 2(0.8)
年齢(歳,n = 260) 35.3 ± 9.1
看護師経験年数 5年目以下 78(29.9)
6年目~10年目 移植看護経験年数5年目以下 29(11.1)
移植看護経験年数6年目~10年目 30(11.5)
11年目以上 移植看護経験年数5年目以下 60(23.0)
移植看護経験年数6年目以上 64(24.5)
看護師経験年数(年,n = 259) 12.1 ± 8.7
移植看護経験年数(年) 5.1 ± 4.1
移植後長期フォローアップ(LTFU)外来担当資格の有無 あり 64(24.5)
なし 194(74.3)
未回答 3(1.1)

2. 振り返り尺度の回答分布および信頼性

振り返り尺度の回答分布および信頼性係数(Cronbach’s α係数およびMcDonald’s ω係数)を表2に示した.

表2 「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」の回答分布および信頼性

n = 261)

常に考えていた 時々考えていた あまり考えていなかった 全く考えていなかった 振り返り尺度開発時
n(%) n(%) n(%) n(%) M ± SD M ± SD
【1因子:医療チーム状況の把握】(α = .891 ω = .892)
P1 治療決定に関わる人々(患者,家族,医療者)の間で,対話をもてているか 106(40.6) 129(49.4) 23(6.8) 3(1.1) 3.30 ± 0.67 3.33 ± 0.69
P2 治療決定に関わる人々(患者,家族,医療者)の,関係性は配慮されているか 102(39.1) 128(49.0) 29(11.1) 2(0.8) 3.26 ± 0.68 3.23 ± 0.72
P3 治療決定に必要な情報を,医療者が提供することを説明しているか 113(43.3) 128(49.0) 17(6.5) 3(1.1) 3.34 ± 0.65 3.42 ± 0.66
P4 治療決定の支援の役割は,医療者間で調整されているか 83(31.8) 122(46.7) 51(19.5) 5(1.9) 3.08 ± 0.77 3.13 ± 0.74
P5 医療者は,患者と家族の意向を明らかにするための対話を持っているか 99(37.9) 135(51.7) 27(10.3) 0(0.0) 3.28 ± 0.64 3.30 ± 0.68
P6 患者と家族がもつ,治療のイメージと実際にはギャップがあるか 109(41.8) 126(48.3) 25(9.6) 1(0.4) 3.31 ± 0.66 3.17 ± 0.76
【2因子:看護師の役割意識】(α = .827 ω = .829)
P7 自分は,他の患者のケアの経験をこの患者のケアにいかしているか 121(46.4) 119(45.6) 18(6.9) 3(1.1) 3.37 ± 0.67 3.16 ± 0.75
P8 自分は,熟練した技術でセルフケア不足を補っているか 83(31.8) 125(47.9) 48(18.4) 5(1.9) 3.10 ± 0.76 2.93 ± 0.76
P9 自分がもつ,治療決定に対する価値観を意識しているか 70(26.8) 132(50.6) 52(19.9) 7(2.7) 3.02 ± 0.76 3.01 ± 0.76
P10 自分は,看護師としての専門的な役割が何であるかを意識しているか 93(35.6) 147(56.3) 17(6.5) 4(1.5) 3.26 ± 0.65 3.21 ± 0.73
P11 患者と家族の,治療決定に影響しているセルフケア不足は何か 88(33.7) 125(47.9) 43(16.5) 5(1.9) 3.13 ± 0.75 3.14 ± 0.79
【3因子:患者・家族の背景の把握】(α = .750 ω = .756)
P12 患者と家族の,経済状態について 59(22.6) 125(47.9) 65(24.9) 12(4.6) 2.89 ± 0.81 2.86 ± 0.86
P13 患者と家族の,住む地域の医療や福祉の体制について 18(6.9) 83(31.8) 120(46.0) 40(15.3) 2.30 ± 0.81 2.51 ± 0.92
P14 患者や家族の,家庭や社会での役割について 91(34.9) 143(54.8) 26(10.0) 1(0.4) 3.24 ± 0.64 3.17 ± 0.76
P15 患者や家族の,身近な人の治療体験について 45(17.2) 109(41.8) 93(35.6) 14(5.4) 2.71 ± 0.81 2.45 ± 0.92
【4因子:治療状況の把握】(α = .657 ω = .662)
P16 患者が,治療を受ける(やめる)ことで起こる症状や副作用について 133(51.0) 102(39.1) 23(8.8) 3(1.1) 3.40 ± 0.70 3.47 ± 0.66
P17 患者が,これまでどのような治療経過をたどったか 129(49.4) 122(46.7) 9(3.4) 1(0.4) 3.45 ± 0.58 3.50 ± 0.59
P18 医師は,どのように治療を検討したのか 57(21.8) 123(47.1) 74(28.4) 7(2.7) 2.88 ± 0.77 3.21 ± 0.75
【5因子:患者・家族の意向の吟味】(α = .792 ω = .795)
P19 医療者は,患者と家族が大切にしていることを支持しているか 96(36.8) 139(53.3) 25(9.6) 1(0.4) 3.26 ± 0.64 3.30 ± 0.71
P20 患者や家族が,大切にしていることは何か 120(46.0) 124(47.5) 17(6.5) 0(0.0) 3.39 ± 0.61 3.49 ± 0.68
P21 自分は,患者や家族の価値観を知ることができているか 74(28.4) 143(54.8) 43(16.5) 1(0.4) 3.11 ± 0.67 3.08 ± 0.75
【全5因子(21項目)】α = .937 ω = .937

注記)M ± SDは先行研究に準じて小数点第二位までを示した.

患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度(尾形,2021

平均点が最も高かった項目は,「P17;患者が,これまでどのような治療経過をたどったか」が3.45(SD = 0.58)であり,次いで「P16;患者が治療を受ける(やめる)ことで起こる症状や副作用について」が3.40(SD = 0.70),「P20;患者や家族が,大切にしていることは何か」が3.39(SD = 0.61)であった.

Cronbach’s α係数は項目全体で.937,因子別では.657~.891,McDonald’s ω係数は項目全体で.937,因子別では.662~.892であった.

3. 確証的因子分析によるモデル適合度

確証的因子分析を用いて尺度の妥当性を検討した結果を図1に示した.振り返り尺度の5因子斜交モデルの適合度は,CFI = .886,TLI = .866,RMSEA = .077であった.CFI/TLIは0.90を下回ったが,RMSEAは基準を満たしていた.標準化因子負荷量は.522以上であった.5因子の因子間相関は.659~.915の範囲であり,「因子1:医療チーム状況の把握」と「因子5:患者・家族の意向の吟味」の相関が最も高かった(r = .915).

図1  確証的因子分析(5因子斜交モデル)の結果

二次因子モデルを仮定した確証的因子分析の結果を図2に示した.モデル適合度は,CFI = .883,TLI = .866,RMSEA = .077であり,5因子斜交モデルと同様に,CFI/TLIは0.90を下回ったが,RMSEAは基準を満たしていた.二次因子から一次因子への標準化因子負荷量は,「因子5:患者・家族の意向の吟味」が.990と最も高い値を示した.

図2  確証的因子分析(二次因子モデル)の結果

因子ごとの項目平均値を表3に示した.「因子1:医療チーム状況の把握」および「因子5:患者・家族の意向の吟味」の項目平均値は3.3(SD = 0.5),「因子4:治療状況の把握」の項目平均値は3.2(SD = 0.5),「因子2:看護師の役割認識」の項目平均値は3.2(SD = 0.6),「因子3:患者・家族の背景の把握」の項目平均値は2.8(SD = 0.6)であった.

表3 「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」の項目平均値

n = 261)

M ± SD 項目平均値 尖度 歪度
因子1 医療チーム状況の把握(6項目) 19.6 ± 3.3 3.3 ± 0.5 0.27 –0.54
因子2 看護師の役割認識(5項目) 15.9 ± 2.8 3.2 ± 0.6 0.44 –0.47
因子3 患者・家族の背景の把握(4項目) 11.1 ± 2.3 2.8 ± 0.6 –0.43 0.04
因子4 治療状況の把握(3項目) 9.7 ± 1.6 3.2 ± 0.5 –0.06 –0.39
因子5 患者・家族の意向の吟味(3項目) 9.8 ± 1.6 3.3 ± 0.5 –0.14 –0.38
合計(21項目) 66.1 ± 9.8 3.1 ± 0.5 0.29 –0.34

4. 外的基準を用いた既知集団妥当性

外的基準を用いた既知集団妥当性の検討結果を表4に示した.全ての因子において,LTFU資格取得者は,取得していない者よりも,振り返り尺度の得点が高い傾向を示した.t検定の結果,因子2(p = .002,Cohen’s d = .44),因子3(p = .024,Cohen’s d = .33),尺度全体(p = .017,Cohen’s d = .35)で有意差が認められ,小~中程度の効果量を示した.

表4 外的基準を用いた既知集団妥当性

LTFU資格あり
n = 64)
LTFU資格なし
n = 194)
t値(df) p 効果量
(Cohen’s d)
M ± SD M ± SD
因子1医療チーム状況の把握(6項目) 20.0 ± 3.4 19.4 ± 3.2 1.34(256) .181 .19
因子2看護師の役割認識(5項目) 16.8 ± 2.6 15.6 ± 2.7 3.08(256) .002 .44
因子3患者・家族の背景の把握(4項目) 11.7 ± 2.3 10.9 ± 2.3 2.27(256) .024 .33
因子4治療状況の把握(3項目) 10.1 ± 1.4 9.6 ± 1.6 1.87(256) .063 .27
因子5患者・家族の意向の吟味(3項目) 10.0 ± 1.5 9.7 ± 1.6 1.52(256) .131 .22
合計(21項目) 68.6 ± 9.5 65.2 ± 9.8 2.40(256) .017 .35

Cohenの指標をもとに,0.20を小,0.50を中程度,0.80を大きい効果と判断した.

Ⅴ. 考察

本研究では,振り返り尺度が本邦で造血幹細胞移植看護に携わる看護師の移植準備期の看護支援においても同様の因子構造および妥当性を示すのか,交差妥当性を検討した.

本研究の対象者の平均年齢は,日本看護協会(2022)の看護職員実態調査における全国の看護職の平均年齢41.3歳よりも低かった.これは,本研究が「過去5年間で月1件以上同種移植を実施している診療科」に勤務する看護師を対象としており,移植件数の多い比較的大規模の病院に勤務する看護師が多く抽出されたためと考えられる.実際,大規模病院では看護師の平均年齢が低い傾向が示されており(広島県健康福祉局医療介護基盤課,2025),本研究における平均年齢の低さは,施設特性を反映した結果といえる.全国の移植実施施設を対象にしている点を踏まえると,本研究サンプルは本邦の移植看護に従事する看護師の特性を一定程度反映しており,結果の外的妥当性は概ね確保されていると考える.

1. 振り返り尺度の回答傾向および信頼性

振り返り尺度の回答傾向を尺度開発研究(尾形,2021)と比べると,ほとんどの項目の平均値は類似しており,高得点・低得点の項目傾向も概ね一致していた.ただし,「P18;医師は,どのように治療を検討したのか」については,他の項目と比べて平均得点に相対的な開きを認めた.この開きは,尺度開発時における看護支援の対象時期は“治療決定の支援を実施しているその時”であったのに対して,本研究では“移植準備期”を対象にした影響と考えられる.“移植準備期”は,気持ちが揺れ動いている時期ではあるものの,治療決定後であり,この対象時期の違いが影響していると推察される.

信頼性については,因子4でCronbach’s α係数およびMcDonald’s ω係数が基準をわずかに下回ったが,尺度開発研究(α = .696)と同様の傾向が確認された.これは,因子を構成する項目数が少ないことや,因子内の項目内容の一貫性が相対的に低いことを反映している可能性がある.しかし,尺度全体の信頼性係数はいずれも基準を満たしており,本尺度は移植準備期においても許容可能な信頼性を有すると判断された.

2. 振り返り尺度の交差妥当性

5因子斜交モデルは,CFIおよびTLIが目安をわずかに下回ったものの,RMSEAは許容範囲内であり,総合的にはモデル適合は許容可能と判断された.また,標準化因子負荷量はいずれも.50を上回っており,各項目が対応する因子に十分寄与していることが示された.これらの結果から,移植看護に携わる看護師の集団においても,尺度開発研究(尾形,2021)に示された5因子構造が概ね再現され,妥当性が概ね支持されたと解釈された.以上より,本尺度は移植準備期の看護実践においても一定の交差妥当性を有することが示唆された.

注目すべきは,「因子1:医療チーム状況の把握」と「因子5:患者・家族の意向の吟味」の高い相関である.「因子1:医療チーム状況の把握」は,治療決定に関わる人々(患者・家族・医療者)の対話について,「因子5:患者・家族の意向の吟味」は,患者や家族の価値観の把握を問う項目で構成されているが,価値観の把握には対話が不可欠と考えられるため,両因子が重なり合い,相関が高い結果は理に適う.実際,尺度開発研究においても,因子5の一部項目で天井効果がみられ,2つの因子に対して高い因子負荷量を示す“クロスロード”も示されていた.これは,患者や家族の価値観の理解が,医療チームとの対話を通して初めて可能になるという,臨床的にも不可分な側面を反映している可能性がある.さらに,移植治療は,家族ドナーという第三者の介在が特徴であり(Yuan et al., 2024),特に移植準備期においては家族の意向が治療に密接に関連せざるを得ないため,因子1と因子5の関連性が強まったと考える.因子間相関が高い場合,因子の弁別性が低下し,適合度指標(CFI/TLI)が過小評価されやすいことが指摘されている(Marsh et al., 2004).本研究において因子1と因子5の相関が高かったことは,CFIおよびTLIの低下に関与した可能性がある.

なお,本研究においてCFI/TLIが0.90を下回った点については,サンプルサイズやモデルの複雑性が影響した可能性も考えられる.CFIはサンプルサイズの影響を受けやすく,特に標本数が十分でない場合には適合度が過小評価されることが報告されている(Kenny & McCoach, 2003Marsh et al., 2004).振り返り尺度の開発研究(尾形,2021)では539名を対象としており,CFI = 0.914と目安を満たす値が示されていた.因子数が多くなると推定すべきパラメータが増加し,特にサンプルサイズが十分でない場合には,モデルの識別性が低下しCFI/TLIが下がりやすいことが指摘されている(Bentler, 2007).本研究では300名の回収を目標としたが,分析対象者は261名であり,この点がCFI/TLIの低下に影響した可能性がある.しかしながら,モデル誤差の指標であるRMSEAは0.077と許容範囲であり,5因子モデルが大きく破綻しているわけではなく,モデル全体としては一定の適合を示していると解釈できる.

また,二次因子モデルを仮定した分析でも,一定の許容範囲に収まるモデル適合度が示され,5つの因子の背後に共通する上位概念を想定し得ることが確認された.二次因子モデルが妥当である場合,上位概念(二次因子)が下位因子を横断的に統合していると解釈され,合計得点を上位概念(二次因子)の近似として用いることが可能であるとされている(Reise et al., 2013).本研究の結果は,尺度全体の合計得点を「振り返り」の全体水準を示す指標として用いることが概ね妥当であることを示唆するものである.さらに,因子得点の尖度・歪度はいずれも±1以内であり,分布は正規性を満たしていたことから,総合得点の算出や統計解析に適した性質を有していると考えられる.

本研究ではLTFU外来担当資格の有無によって,総得点および複数因子で有意差が確認され,効果量は小~中等度であった.LTFU外来では,移植後合併症に対する対応だけでなく,社会復帰に向けた就労・就学支援,心理的支援,家族支援など,包括的な看護実践が求められる(日本造血・免疫細胞療法学会,2025d).特に,心理的適応や人生への満足感に関する問題は移植後の長期にわたるとされており(日本造血・免疫細胞療法学会,2017),移植準備期の段階から移植後までを長期的に見据えた看護支援を行うことは重要と考えられる.したがって,LTFU外来担当資格取得者は,移植準備期の患者を支援する際にも,より多面的な視点を保持していると考えられ,その結果,振り返り得点が高くなるという妥当な知見が得られたと考える.これにより,本尺度の既知集団妥当性が移植看護の文脈においても支持された.

本研究で用いた振り返り尺度は,過去1か月の移植準備期の看護実践を想起し,当時その場で行われた支援内容の回想を求めている点からも,reflection-in-actionに基づく実践中の熟考を反映した回答が得られていると解釈できる.移植準備期という不確実性の高い場面では,看護師は患者や家族の背景,医療チームの状況を即時的に統合しながら支援を構築していると考えられる.5因子構造が再現されたことは,このような実践中の熟考の特徴を捉えている可能性を示唆する.したがって,本研究の結果は,移植準備期における看護師のreflection-in-actionに基づく振り返りを測定する指標として,一定の妥当性を有することを裏づけるものである.ただし,因子1と因子5の因子間相関が高かったことから,項目改訂の可能性も含め,今後さらなる検討が必要である.

3. 本研究の意義

本研究の成果は,緒言で述べた二つの課題に応答するものである.第一に,振り返り尺度が移植準備期においても一定の妥当性を示す結果が得られた点である.これにより,看護師が自身の支援を多面的に振り返る指標として活用できる可能性が示され,移植準備期の患者支援における強みや改善点を明確化する一助となり得る.

第二に,これまで移植準備期の看護を定量的に評価する指標は存在しなかったが,本研究によりその視点や構成要素を数量的に捉えることが可能であることが示された.特に,医療チームとの対話と患者・家族の価値観の把握が強く関連するという知見は,移植準備期に特徴的な看護支援の在り方を示唆するものである.このように,本研究は移植準備期に焦点を当て,看護実践を可視化するための基盤となる知見を提供した点で,学術的・実践的意義を有すると考える.

Ⅵ. 本研究の強みと限界

本研究の対象者は全国の移植実施施設に勤務する看護師であり,本邦における造血幹細胞移植に携わる看護師の特性を一定程度反映できている点は,本研究の強みである.また,これまで振り返り尺度は5因子斜交モデルのみが検討されていたが,本研究では二次因子モデルも検討し,合計得点算出の可能性を示すことができた.

一方,本研究の限界として,外的基準をLTFU外来担当資格の有無のみに設定したため,実際にどの程度外来業務を担当していたかについては把握できていない.加えて,本研究の対象者は本邦でも移植件数の多い施設に勤務する看護師であったが,LTFU外来の実施頻度や受診者数など,施設間の状況差を十分に考慮できていない可能性がある.なお,本研究は横断研究であり,LTFU外来担当資格の有無が振り返り尺度得点を高めたのか,あるいはもともと振り返り得点が高い看護師が資格を取得しているのかは判断できない.今後は縦断的調査を通じて,因果的関連を明らかにする必要がある.本研究では振り返り尺度の項目が成人患者を前提としているため,小児領域での適用可能性は検討していない.

Ⅶ. 結論

本研究により,「患者の治療決定における看護支援の振り返り尺度」は,造血幹細胞移植に携わる看護師の移植準備期の看護支援においても尺度開発時に報告された5因子構造が概ね再現され,信頼性および既知集団妥当性が確認された.これらの結果から,本尺度は移植準備期の看護実践においても一定の交差妥当性を有することが示唆された.したがって,本尺度は造血幹細胞移植領域,特に移植準備期における看護師のreflection-in-actionに基づく振り返りを測定する指標として使用可能性が示された.

謝辞:本研究にご協力いただきました対象者の皆様ならびに対象施設の看護部長の皆様に,心より感謝申し上げます.

利益相反:本研究における利益相反は存在しない.

著者資格:MYおよびMMは研究の着想およびデザインに貢献した.MYは統計解析の実施および草稿の作成を行った.MMおよびYKは原稿への示唆および研究プロセス全体への助言に貢献した.すべての著者は最終原稿を読み,承認した.

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