日本看護科学会誌
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産婦の不安を軽減するための看護の方法に関する研究
自律訓練法によるRelaxation効果からみて
森 恵美前原 澄子
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1991 年 11 巻 1 号 p. 22-32

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抄録

産婦の不安の軽減のために, 分娩準備教育のプログラムの1構成要素であるRelaxationの技法に関して, 自律訓練法を教授することにより, その効果を検証することを目的として研究を行った.
自律訓練法習得群(11名), 自律訓練法未習得群(21名), 自律訓練法未訓練群(12名)の3群について,分娩経過に沿って, 状態不安・産痛・血圧・脈拍数・神経筋コントロール力・ラマーズ法評価を測定し, 評価した. その結果, 自律訓練法習得群と他の2群との間には, 分娩第1期の終わりである極期において, 状態不安・産痛の感覚的評価指数・神経筋コントロール力判定結果・ラマーズ法評価得点に, 明らかな差がみられた.陣痛間歇期の血圧・脈拍数においては, 自律訓練法習得群の平均値が他の2群より低かったが, 有意差はなかった.
以上により, 産婦の不安の軽減や産痛の緩和のために, 分娩前からRelaxationの技法を教授することにより, 産婦の不安の軽減や産痛の緩和に有効であることが明らかになった.

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