日本看護科学会誌
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「自分のシナリオを演じる」
同胞に障害のあるきょうだいの障害認識プロセス
山本 美智代
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2005 年 25 巻 2 号 p. 37-46

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抄録
身体・知的障害のある同胞をもち, 成人に達した29名のきょうだいに聞き取りを行い, きょうだいが同胞の障害をどうやって知り, どのように意味づけ, それに応じてどのように対応して成長してきたのかについてgrounded theory approach を使って分析した. その結果, きょうだいは両親のしつけの内容と, 他の子どもの状況とが異なることにより, 自分が障害者のきょうだいであるという認識をもち始める. また, 社会の偏見を向けられた時から, 同胞の障害を恥ずかしいと認識するようになり, 高校生頃より同胞の障害について納得のいく意味を探し始める. そして, 20歳前後で障害の意味づけや, その意味づけにより自分がとる行動「自分のシナリオ」を作成し, 同胞への介護を行い, 同胞とよい関係を築くようになる. しかし, 中には同胞の障害を恥ずかしいと認識しなかったきょうだいや, 納得のいく意味を探さなかったきょうだいもいた.
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