抄録
本研究の目的は, 病院に就業する看護職者の職業経験の質の現状, および, それに関係する個人特性を解明し, 病院に就業する看護職者の職業経験に関する予測理論の開発に向けた今後の課題を検討することである. 測定用具には, 看護職者職業経験の質評価尺度と看護職者特性調査紙を用いた. 対象者は, 全国の病院に就業する看護職者1,060名であり, 郵送法によりデータを収集した. 分析には, 記述統計値の算出, 相関係数の算出と検定, t検定, 一元配置分散分析を用いた. 質問紙回収数は703 (回収率66.3%) であり, 有効回答618を分析した結果は, 病院に就業する看護職者が, 自己の職業経験の質をおおむね高く評価する一方, そのさらなる改善を課題にしていることを示した. また, 職業経験の質が, 看護職経験年数, 職位, 年収, 労働条件に対する満足感など21変数に関係することを示した. 考察の結果は, 病院に就業する看護職者の職業経験の質向上に資する予測理論の開発に向けて検証する必要のある3仮説を示唆した.