抄録
本研究は, 半側空間無視 (以下, Neglect)を有する脳卒中患者の生活障害評価尺度の開発に向けた研究である. 本邦で初めて, the Catherine Bergego Scale 日本語版 (以下, CBS-J) による生活障害の評価とその利用可能性を検討することを目的とし, 3 基準 (初発, 右大脳半球, 入院時に Neglect あり) を満たし, 同意が得られた脳卒中患者20名を対象に, 退院後1カ月の機能評価, CBS-J による行動観察, 面接調査を実施した. 対象を脳卒中重症度尺度により3群, すなわち, 軽度群 (6名), 中等度群 (10名), 重度群 (4名) に分類し, CBS-J-観察得点, CBS-J-自己評価得点, CBS-J-Anosognosia得点にっいて 3 群比較を行ったところ, 3 群間の属性, CBS-J-自己評価得点に有意差はなかったが, CBS-J-観察得点, CBS-J-Anosognosia 得点には重症度による有意差があった. これは, 脳卒中の重症度に応じて, Neglect行動, 病態失認が強くなることを示し, Neglect 行動があるにもかかわらず, そのことを気づくことができないことを示唆している.
CBS-J は, Neglect による生活障害を評価するうえで有用な尺度と考えられる.