2010 年 41 巻 2 号 p. 110-118
多くの研究の結果,嗅覚を介した「におい」の心理・生理的効果が明確になった.この理論に基づき心理・生理効果のある新しい香料が開発され化粧品に使われている.このように香料は化粧品に必須であるが,顔料の触媒活性で分解される場合がある.触媒活性の不活性化は高性能の化粧品を製造するために不可欠である.触媒活性を不活性化し機能性を付与できる機能性ナノコーティングが開発されている.この方法は二段階で顔料の色や形を変えないで処理できる.本報では化粧品における「におい」の効果,顔料の触媒活性と表面処理について述べる.