におい・かおり環境学会誌
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特集(食品の香り研究の新展開)
柑橘風味のする鮎「柑味鮎(かんみあゆ)」の開発
赤壁 善彦
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キーワード: , キュウリ, 柑橘, フレーバー
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2013 年 44 巻 5 号 p. 323-328

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抄録

鮎は,“香魚,キュウリ魚”ともいわれ,体表面から発せられる独特のにおい成分により,「キュウリ様」,「スイカ様」と評価される一方で,海魚と比べ川魚特有の生臭さがあると言われている.そこで,この生臭さのイメージを解消し,より嗜好性の高い鮎の開発を目指し,柑橘果皮残渣を利用して養殖を行ったところ,誰もが柑橘の風味を知覚することのできる鮎の開発に成功し,「柑味鮎(かんみあゆ)」と命名した.また,「柑味鮎」と天然や通常の養殖鮎の試食のアンケート結果とにおい識別装置により,においに関する正の相関が確認でき,各鮎のにおいの質を明確に区別できることが分かった.この開発した「柑味鮎」はブランド化され,地元で食材として提供されているのみならず,全国展開され,贈答用商品も流通している.

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© 2013 (社)におい・かおり環境協会
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