2019 年 50 巻 1 号 p. 9-15
健康志向の高まりを受けて,近年では空気質への関心も高くなってきている.住宅屋内で発生する揮発性有機化合物(以下VOCと呼ぶ)は,建材や材料などの対策が進み,対策前と比較して大幅に改善されている.自動車においても,住宅同様に,内装材や,車室内に使用されている材料の対策が進み,車室内VOC濃度は低減している.しかし,車室内環境は,住宅環境よりも容積が小さく,温度も高くなるため空気質環境としては厳しい環境となっている.そこで,空気質の指標となっている総揮発性有機化合物(以下TVOCと呼ぶ)と“におい”に着目して車室内空気質に対する評価法の考察を行った.