2021 年 52 巻 4 号 p. 206-218
におい評価の機器分析ではガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)が主に使用される.におい分析でのGC-MSの前処理としては,その簡便性から固相マイクロ抽出(SPME)法が頻用される.しかし,SPME法は液相量が限られており微量成分の感度が足りない,また,機械的耐久性が低いという課題があった.近年,SPMEの利点を残しながら,これらの課題を解決したSPME Arrowが開発された.本稿では,SPME Arrowの特長とその特長を活かした分析事例について解説した.