におい・かおり環境学会誌
Online ISSN : 1349-7847
Print ISSN : 1348-2904
ISSN-L : 1348-2904
研究論文
Headspace-GC-MSとGPC-GC-MSおよび官能試験によるコーヒーの香りに寄与する成分の解析
松原 英隆 今村 弥生原 かす美浦野 絋平
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 55 巻 2 号 p. 116-125

詳細
抄録

焙煎コーヒーの水抽出液に含まれる香気成分解明のため,高揮発性成分と低揮発性成分に分けて分析した.高揮発性成分はHeadspace-GC-MSで同定・定量した.低揮発性成分は水抽出液を酢酸エチル抽出し,その濃縮液をGPC分画し,画分ごとにGC-MSで同定・定量した.高揮発性成分はHeadspace閾値を,低揮発性成分は溶液閾値を求め,それぞれ,定量値を閾値で除した香気強度によりコーヒーの香りに寄与している香気成分について考察した.その結果,香気に強く寄与している成分として,高揮発性成分では,Acetaldehyde,2-Methylbutanal,3-Methylbutanal,2,3-Butanedione,2,3-Pentanedioneを確認した.低揮発性成分ではIsovaleric acid,2-Methoxy-4-vinylphenol,2-Methoxyphenol,Furaneol,Phenylacetic acidを確認した.また,3-Hydroxy-β-damasconeの存在も推定された.

著者関連情報
© 2024 (社)におい・かおり環境協会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top