焙煎コーヒーの水抽出液に含まれる香気成分解明のため,高揮発性成分と低揮発性成分に分けて分析した.高揮発性成分はHeadspace-GC-MSで同定・定量した.低揮発性成分は水抽出液を酢酸エチル抽出し,その濃縮液をGPC分画し,画分ごとにGC-MSで同定・定量した.高揮発性成分はHeadspace閾値を,低揮発性成分は溶液閾値を求め,それぞれ,定量値を閾値で除した香気強度によりコーヒーの香りに寄与している香気成分について考察した.その結果,香気に強く寄与している成分として,高揮発性成分では,Acetaldehyde,2-Methylbutanal,3-Methylbutanal,2,3-Butanedione,2,3-Pentanedioneを確認した.低揮発性成分ではIsovaleric acid,2-Methoxy-4-vinylphenol,2-Methoxyphenol,Furaneol,Phenylacetic acidを確認した.また,3-Hydroxy-β-damasconeの存在も推定された.